映画初心者のドラ猫ロボット

映画初心者が玄人になるために感想を上げていくブログ

アイム・ノット・シリアルキラー

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上映日:2017年06月10日 / 製作国:アイルランド・イギリス
ジャンル:SFホラー

監督:ビリー・オブライエン 主演:マックス・レコーズ/クリストファー・ロイド
鑑賞日:2020/10/25
鑑賞媒体:U-next

 

【今作の★の数:★★★★】良作。観て損なし。※でもオススメは出来ないかも

★の数について
★★★★★ 最高。おすすめ。
★★★★  良作。観て損なし。
★★★   普通。
★★    残念。
★    うーん。

 

<この映画は、こんな人にオススメ!>

B級映画好き
中二病が好きな人


<オススメできない人>
・「突飛なストーリーが展開されるB級映画」が苦手な人

 

<あらすじ>
主人公・ジョンは、葬儀店を営む家庭に育った影響か、ソシオパス(反社会的人間)と診断され、学校では変わり者として扱われ、セラピストに診断を受けている16歳の少年。ある日、自身が住むクレイトンの町で、謎の連続殺人事件が発生。自宅の葬儀店に運び込まれた被害者の死体から内臓や身体の一部が欠損していたことに興味を持ったジョンは、自ら調査に乗り出し、殺人事件の犯人が隣に住む老人のクローリーであることを知る。ジョンは身近な殺人鬼に興味を持ち、彼に近付いていく……。


<感想>

 

面白かったー。

クリストファー・ロイド演じる殺人鬼の正体が・・・だったという、すごくB級映画的な展開を抜きにしても、作品自体が、結構丁寧に作られていて飽きなかった。

登録している映画紹介アプリ「フィルマークス」で、フォローしている人の感想読んで興味を持って観てみたが、当たりだった。

※紹介してくれた人ありがとうございました!

最初、あらすじや冒頭の展開を見たときに、

「あ、これ『GOTH』みたいな感じか! 好きなヤツだ」と思ったが、実際は、主人公ジョン君は人間味があって、ソシオパスなんて診断を受けるような子じゃないとは思ったが、逆にそれが彼の成長物語みたいになっていて、いい意味で裏切られた。

 

 ↑ 以前『シライサン』の映画感想でも紹介した『GOTH』。小説家・乙一の第3回本格ミステリ大賞受賞作。ガチもんのサイコパス「僕」の視点で描かれる彼と友人の美少女・夜の周りで起こる様々な猟奇事件を扱った連作ミステリ。マジで面白い。

 

煽り文句の「ソシオパスVSシリアルキラー」は、どっちも当てはまらないかな?

いや、でも作中で「狼男も吸血鬼も殺人鬼だ」といっていたジョン君の言葉を借りれば、謎の老人・クローリーシリアルキラーか。

本作品の感想を「個人的な見どころ」と「残念だった点」に分けて、書いてみる。

 

<個人的な見どころ>


・主人公の成長物語

 

主人公のジョン・クリーヴァー君は、「ソシオパス(反社会的人間)」の診断を受けている変わり者。学校のレポートに連続殺人犯の考察を書いたり、いじめっ子に絡まれたら、彼の住所を告げて「君の箱の中身を見たいなあ」と脅したり、家に持ち込まれる死体を見ては「商売繫盛」と笑ったり、と。

担当するセラピストからは、「殺人犯になる可能性がある」と警告されるなど、物語の中盤までは、「これはガチもののソシオパスが主人公なのか?」と思ったが、中盤・実際の殺人現場に遭遇してからの彼の態度を見ていると、どうもそうではない気がしてきた。

物語の基本軸は、ふとしたことで知った隣の家の殺人鬼(『バック・トゥ・ザ・フューチャー』でドクを演じたクリストファー・ロイドが演じている!)を主人公がストーキングする話なわけだが、ジョン君確かに変わり者ではあるが、決してソシオパスではないと思う。

殺人現場を見てショックで失禁したり(最初は嬉ションかと思ったが、最後まで観ると違うと思った)、疎遠になっている父親のクリスマスプレゼントにいじけたり、気になっている女の子がいたり、人を殴りつけて動揺したり、母親との仲を気にしたりと・・・提示される数々の材料を見るに、「あれ? この子、単に中二病をこじらせてるだけじゃね?」と思わずにはいられなかった。

結果として、中二病の男の子が、殺人鬼を観察する過程で、普通の人間へと成長していく物語として観ると、妙にしっくりと来た。

それらを含めて、改めてジョン君を見てみると、イケメンだし、楽器が扱えるし、殺人鬼の正体を突き止めるくらいに頭も切れるし、常に笑顔で性格もいいし、隣の家の美少女に好かれているし・・・なんだ勝ち組か。

個人的にはこの展開はいい意味で裏切られたが、映画の煽り文句の「ソシオパスVSシリアルキラー」みたいな派手派手なぶっ飛んだ展開を期待したり、ラストのオチに拍子抜けする人には受け付けない映画だとも思うので、人には勧めづらいのは確か。

 

<残念だった点>

・暗くて地味・・・そしてなりより謎の老人の正体が・・・

 

自分は高得点をつけたが、多くの人は「はあ?」となるだろうし、その気持ちも痛いほどわかる。

ソシオパス(狂気)とシリアルキラー(狂気)を題材にして扱っている割には、内容がものすごく地味。

人がばっさばっさと殺されるわけでもなければ、主人公がシリアルキラーに襲われるわけでもない。ハラハラもしないし、ドキドキもしない。変わり者の主人公のストーカー行為を見せられるという何とも形容しがたい映画になっている。

そして、何より多くの人が戸惑うだろう謎の老人の正体。

これは、B級映画が許容できる人でないと、怒ると思う。

※序盤から作中で、正体を想像させる描写は、主人公が目撃した老人の殺害手段だったり、犯行現場で聞いた獣の声だったりなど、いくつかあるのだが・・・

どう扱っていいか難しい作品。

軒並、レビューサイトの点数が低いのは、そのためだと思う。

 

結果として、個人的にはかなり満足度は高かったが、声高に「面白いから見て!」とはいいづらい作品。

でも、こういうのも映画の良さだと思うよ、個人的にはね。

 

映画レビューサイト フィルマークスに感想を投稿しています。
ユーザー名は「ドラえもんは猫型ロボット」です。
興味あれば覗いて見てください。
https://filmarks.com/

<今年観て面白かったランキング(ブログ掲載のみ)>


1:ナイブズ・アウト 名探偵と刃の館の秘密
2:メランコリック
2:レディオアノット
2:エクストリーム・ジョブ
2:ザ・ベビーシッター
6:ハッピー・デス・デイ
6:ドクタースリープ
8:9人の翻訳家 囚われたベストセラー

9:ダウンレイジ
10:パラサイト 半地下の家族
10:ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド
10:レイヤー・ケーキ
13:ミッドサマー
14:仮面病棟

14:海底47m

14:アップグレード

14:アイム・ノット・シリアルキラー
18:エスケープ・ルーム
19:プライス 戦慄の報酬
20:ハッピー・デス・デイ・トゥ・ユー

21:ザ・ベビーシッターキラークイーン
22:タイムリミット 見知らぬ影
23:ペットセメタリー2019
24:シライサン
25:コンジアム
26:見えない目撃者

27:オリエント急行殺人事件
28:スケアリーストーリーズ 怖い本

29:21ジャンプストリート
30:輪廻
31:バニシング
32:犬鳴村
33:マンディ 地獄のロード・ウォリアー

アップグレード

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上映日:2019年10月11日 / 製作国:アメリカ / 上映時間:95分
ジャンル:アクションSFホラー

監督:リー・ワネル 主演:ローガン・マーシャル=グリーン
鑑賞日:2020/10/11
鑑賞媒体:Amazon Prime Video

 

【今作の★の数:★★★★】良作。観て損なし。

★の数について
★★★★★ 最高。おすすめ。
★★★★  良作。観て損なし。
★★★   普通。
★★    残念。
★    うーん。

 

<この映画は、こんな人にオススメ!>

リー・ワネルの作品が好きな人(最新作は『透明人間』!)
・少し古めかしいSF映画ファンの人

・『ヴェノム』とか漫画の『寄生獣』が好きな人


<オススメできない人>
・暗く後味の悪いストーリーが苦手な人

SF映画が好きな人(低予算映画です)

 

<あらすじ>
近未来のアメリカ。

ドローンが警察の目となり、車は自動運転が当たり前、AIが生活のサポートをしている世界で、グレイ・トレイスは、古い車をいじり販売する仕事に就き、妻のアシャと仲睦まじい日々を送っていた。しかしある日、暴漢に襲われ、最愛のアシャを殺され、自身も四肢麻痺の重症を負ってしまう。失意の中、グレイは客であった巨大企業のCEOから、実験段階にある「ステム(STEM)」と呼ばれる最新のAIチップを身体に埋め込む手術を受けないかと提案をされる。かつてのような動ける身体になるという言葉を信じて、手術を受けたグレイは、無事に四肢麻痺から解放され、それどころか人間離れした身体能力を手に入れてしまう。戸惑うグレイに、身体に埋め込まれたAI「ステム」が、人格を持ち話しかけてくる。共に妻を殺害した暴漢たちに探そうと……。


<感想>

 さすが、リー・ワネル!!

面白かった。

リー・ワネル……映画学校時代にジェームズ・ワンに出会い、『SAW』『インシディアス』シリーズの脚本を務め、最近では監督した古典ホラー『透明人間』が高評価を受けている。

近未来SFアクションをたった300万ドルの低予算で製作したことも凄いが、飽きさせないストーリー展開とラストの落とし方含めて、いい意味での嫌らしさが出ていて、改めていい脚本を書くなあと感じた。

特にステムとの相棒関係、やりとりは、往年のテレビドラマ『ナイトライダー』や漫画『寄生獣』、最近では『ヴェノム』を彷彿とさせていて、とても面白かった。

本作品の感想を「良かった点」と「残念だった点」に分けて、書いてみたいと思う。

 

<良かった点>
①ストーリー

リー・ワネルだけあって、ストーリーは全体的に暗く、そして、当然のごとく一捻りしてある。

本作『アップグレード』。大方の人は、この作品のジャンルを、SFだったり、アクションだったりに分類すると思う。でも、自分はこの作品の最終着地点は、ホラーだと思った。

確かに、人格を持ったAI「ステム」の助けを借りながら犯人を追うバディ要素や、「ステム」を埋め込んだことで発揮される人間離れしたアクション要素だけを見ると、本作は、SF作品やアクション作品にカテゴリーされるものだろう。

(また、そのアクションシーンやバディシーンがとても良かった。特にいかにも機械的な『ステム』と主人公の噛み合わないやり取りは、往年の『ナイトライダー』だったり、漫画の『寄生獣』、最近だと『ヴェノム』を彷彿としていて面白かった)

ただ、そこで終わらないのがリー・ワネル。最後に、しっかりとオチをつけて、そのオチの後味の悪さによって、ホラー展開に着地する構成にしている。

ネタバレになるのでくわしくは書かないが、あの終わり方の嫌らしさは、確かに『SAW』や『インシディアス』の匂いを感じた。人によっては、展開の強引さや矛盾点が気になる人もいるだろうが、自分はリー・ワネルらしさが堪能できたので、良かったと思う。

最新作『透明人間』もホラー要素とSF要素を組み合わせた作りになっているらしいので、そちらもいずれは鑑賞したいと思う。

 

 

 

②低予算ながらSF映画を作った点

低予算で、お金のかかりそうなSF映画を作り、低予算ながらアイディアで巧く見せている点は凄い。どうもリー・ワネルはお金をかけて派手に見せるというよりは、効果や演出といった見せ方で世界観を構築させるのが上手い監督のようだ。

本作にしても、近未来が舞台であるにも関わらず、大掛かりな生活圏や人々の暮らしなどを極力描写せず、部屋の中のAI端末だったり、手術の際に浮かび上がる人体組織図だったり、警察の目になって飛び回るドローンだったり、身体に埋め込まれた武器だったりと、小道具を精密に細かく描写することで、近未来感を出している。また、現代の街並みを登場させる際も、時代に残された貧しい人たちの住む地域として描写し、近未来感やディストピア感を出している。

お金を使わなくても、大掛かりな舞台の映画が撮れるという好事例だと思う。

 

 

 

<残念だった点>

①SF要素が古臭い

<良かった点>の②で述べていて、ここで残念だった点として挙げるのは心苦しいが、やはり低予算の限界はある。はっきりいってしまえば、全体的に安っぽい作りになっている。

CEOの豪邸が、海辺の大きな岩の下にある自然を取り入れた作りとか、自動運転で走る車とか、人体に武器を内蔵した人間とか、はっきりいってしまえば、昔から嫌というほど描写されたSF設定であり、要素であって、目新しさがまるでない。作品の雰囲気に合わせたのかもしれないが、室内のセットも全体的に暗く、近未来的な洗練された華やかさを感じなかった。

作品のもう一人の主人公である人格を持ったAI「ステム」も声だけを入れて演出している。悪くいえば、一目で低予算映画とわかる作りになってしまっていたので、SF映画を期待して観るととがっかりすると思う。

 

 

まとめると、いかにもリー・ワネルらしい嫌らしさが出たSFアクションホラー作品。オチへの強引さだったり、低予算映画ならではの安っぽさは出てしまっているが、最後まで飽きさせない構成はお見事。リー・ワネルの作品が好きなら満足のできる出来になっていると思う。

 

 

補足:作中で、個人的に印象に残った主人公と「ステム」のやりとり。

「酒を飲むと反応が鈍くなる。なぜ人間が不具合を求めるか理解できない」

「機械とは違う。人間の頭の中には、数字じゃなくて、忘れたい記憶が詰まってる」

 

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ユーザー名は「ドラえもんは猫型ロボット」です。
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<今年観て面白かったランキング(ブログ掲載のみ)>


1:ナイブズ・アウト 名探偵と刃の館の秘密
2:メランコリック
2:レディオアノット
2:エクストリーム・ジョブ
2:ザ・ベビーシッター
6:ハッピー・デス・デイ
6:ドクタースリープ
8:9人の翻訳家 囚われたベストセラー

9:ダウンレイジ
10:パラサイト 半地下の家族
10:ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド
10:レイヤー・ケーキ
13:ミッドサマー
14:仮面病棟

14:海底47m

14:アップグレード
17:エスケープ・ルーム
18:プライス 戦慄の報酬
19:ハッピー・デス・デイ・トゥ・ユー

20:ザ・ベビーシッターキラークイーン
21:タイムリミット 見知らぬ影
22:ペットセメタリー2019
23:シライサン
24:コンジアム
25:見えない目撃者

26:オリエント急行殺人事件
27:スケアリーストーリーズ 怖い本

28:21ジャンプストリート
29:輪廻
30:バニシング
31:犬鳴村
32:マンディ 地獄のロード・ウォリアー

オリエント急行殺人事件

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上映日:2017年12月08日 / 製作国:アメリカ / 上映時間:114分
ジャンル:ミステリー

監督:ケネス・ブラナー 主演:ケネス・ブラナー
鑑賞日:2020/10/4
鑑賞媒体:テレビ地上波

 

【今作の★の数:★★★】 普通。

★の数について
★★★★★ 最高。おすすめ。
★★★★  良作。観て損なし。
★★★   普通。
★★    残念。
★    うーん。

 

<この映画は、こんな人にオススメ!>

・ミステリ映画好き
・ミステリ映画は好きだけど古典は知らない人

アガサ・クリスティのファン

・過去作の『オリエント急行殺人事件』やイギリスドラマ版でポアロを演じたデヴィッド・スーシェとは別物と割り切って観れる人


<オススメできない人>
・過去作の『オリエント急行殺人事件』やイギリスドラマ版が好きな人

・原作・話の結末を知っている人

・大仰な物語が苦手な人

 

<あらすじ>
エルサレムでの事件を解決した名探偵のエルキュール・ポアロは、イギリスで起きた事件の解決を依頼され、急遽、イスタンブールからロンドンをつなぐ鉄道・オリエント急行に乗車する。
オリエント急行内でくつろぐポアロに、商売のトラブルから脅迫を受けているというアメリカ人富豪・ラチェットに身辺の警護を頼まれる。気乗りのしないポアロはラチェットの要請を断ったのだが、その夜オリエント急行は雪崩のために脱線事故を起こし、山腹の高架橋で立ち往生してしまう。

その時、車内ではラチェットがナイフで身体の12か所を刺され殺害されていた。

陸の密室となったオリエント急行内で、ポアロは犯人捜しを始める。


<感想>

 

面白かったよ、普通に。

それは、ハードルが上がるのは仕方ないさ。

だって、あのエルキュール・ポアロのリメイクだもの。原作ファンは多いし、特に名作とされた過去作にも、ポアロのアイコンを定着させたデヴィッド・スーシェ主演のイギリステレビドラマ版にだってファンは多い。

しかも『オリエント急行殺人事件』なんて、『そして、誰もいなくなった』同様にアガサ・クリスティー作品を読んだことない人でも犯人や結末を知っている超がつくほどの有名作品だし。

だから、相当に比較もされるし、批判がされるのは監督のケネス・ブラナーも覚悟はしたはず。

それでも、現代にポアロが甦ったことは大きいと思う。古典を知らない若い人たちへの興味を引く手助けがされると思うから。

日本でも、また金田一耕助明智小五郎を映画化してくれないかなあ。テレビドラマ版もいいけどさ。

本作品の感想を書くにあたって、改めて”ミステリの女王”アガサ・クリスティーについて調べてみたら、すごいね、本当に。スケールが違う。

作品は英語圏を越えて、全世界で10億部以上出版されていて、聖書とシェイクスピアの次によく読まれているという説もあり、ユネスコの文化統計年鑑では「最高頻度で翻訳された著者」のトップに位置。ギネスブックは「史上最高のベストセラー作家」として認定している。

特に、ミステリの普遍的なトリックである”叙述トリック(書き方で読書を欺く手法)”は、アガサ・クリスティの登場とともに広まったとされているし。

本作の原作となった『オリエント急行殺人事件』も、ミステリの掟破りともいわれた犯人像は、あまりにも有名。また、作品自体が、アガサ・クリスティが離婚後にオリエント急行イスタンブールバグダードへ一人旅した影響が出ているというのも面白い。

 

さて、前置きはここまでにして、本作品の感想を「良かった点」と「残念だった点」に分けて、書いてみたいと思う。

 

<良かった点>


①古きミステリの香りと最新の技術を用いた世界観の構築

 

「お金がかかっているなあ」というのが作品の第一印象であり、この作品をリメイクをする意味だと感じた。時代を反映させたセットに列車の内装・登場人物たちの衣装と、古き時代を感じさせるのに、CGなどを使い現代風に観やすくしている。

リメイクなんだから、当然といわれればそれまでだが、ここは大きなポイントだと思う。古典映画に名作が多くても、敬遠してしまう要因の一つが、映像の粗さや古さだったりの観にくさだと思うから。少なくとも古典作品を知らない人に対しては良いアプローチだと思う。

話自体は古いものなので、殺人事件に関して、やたらと個人の罪の意識だったり、人種間の偏見などの部分をクローズアップしている。猟奇殺人やらサイコパスやらの刺激にあふれている今のミステリ映画であれば、決して大きなものではないが、謎解きや人間性を強く強調した古きミステリの香りを感じられて、逆に新鮮だった。

 

ポアロのキャラクター

エルキュール・ポアロといえば、知っている人は、真っ先に前述したイギリスのテレビシリーズでデヴィッド・スーシェが演じた、あの姿を思い浮かべるだろう。小男で特徴的な口ひげ、卵型の頭。

だが、本作ではイギリスの名優・ケネス・ブラナーが新たなポアロ像に挑戦している。スマートで渋みがあり、口ひげこそ変だがイケメンで、何なら原作にないアクションまでこなす。

ポアロに固まったイメージがなければ、これはこれでアリと個人的には思った。

ちんちくりんな変人が主人公よりも、変人なイケメンが主人公の方が画面映えがすることは福山雅治さんの『ガリレオ』で学んだ。

外見はスマートだが、中身は原作通りの変人で、数か国語を操り、好きなことはとことん楽しむが嫌なことは一切しない(チャールズ・ディケンズ読んで、変な声でゲラゲラ笑う、モンブランの上っ面だけを食べるなど)初対面のラチェットの依頼を「顔が気に入らない」と断ったシーンは面白かった。

※でも、ポアロの気持ちはわかる。殺されるアメリカ人富豪ラチェットをジョニー・デップが演じているが、悪人顔だと思う。あんな悪い顔した人間が善人なわけがない。

デヴィッド・スーシェほどの滑稽さは出ていないが、やはり変なキャラクターであり、殺人事件の奇抜さとよく合っていると思う。

話の終わりに『ナイル殺人事件』が示唆されているので、まだ活躍を観れると思うと心躍る自分がいるのも事実。

ちなみに作中で、初対面の人たちが、ポアロをやたらと「ヘラクレスポアロ」と呼んでいたのは、名前のエルキュールが、フランス語ではヘラクレスになるためらしい。

アンリとヘンリーみたいなもんだね、納得。

 

<残念だった点>

①追加された場面が作品の色に合わない

原作から見やすくするためか、本リメイク作は、何点か追加・変更された箇所がある。そのどれもが、現代風に入れているためか、作風に合わずに、違和感として漂ってしまった。よい試みなのかもしれないが、原作が好きなら、興醒めするだろう。

例えば、冒頭のエルサレムでの事件。警察が「犯人の目星がつかない難事件」といっていたが、本当に? 動機も犯人も単純で、わざわざ名探偵ポアロの見せ場を作るような事件ではない気がしたが……。

例えば、ポアロエルサレムで語った自身の推理に関して「この世界をあるべき姿で捉えてしまい、あるべき姿でないときに不完全さを感じる」。普通に明晰な頭脳(灰色の脳細胞)でよいのでは? そんな厨二的な設定しなくても。

例えば、列車内での逃走アクションに、突然始まる銃撃。ガイ・リッチー監督の『シャーロック・ホームズ』じゃあるまいし、そんなアクション必要だった?

 

②登場人物、話し方や感情表現が大仰で引っかかる

時代ものなので、仕方ないが、いちいちいい方や表現が大げさ。また、登場人物も(ポアロからしてそうだが)不遜な人物像の人間が多くて、現代の映画を見慣れているとあまり愉快な気持ちになれなかった。この辺のキャラクター造詣を見直すことはあってもよかったのではないか。

もっといい方ってあるよね。

 

まとめると、超有名なミステリ古典のリメイク作品なので、一定の安定感はある。ただし、原作からの変なシーン追加があったり、ポワロがイメージと違ったりと、過去作が好きだったり、イギリステレビドラマ版が好きな人が批判をしたい気持ちもわかる。

それでも、現代に甦った名探偵エルキュール・ポワロの活躍。

世界で半世紀以上も愛される理由というのが、きっとわかるはず。

話は聞いたことがあっても、まだ鑑賞したことのない人は観れば楽しめると思うので、今月公開される『ナイル殺人事件』と併せて是非。

 

補足:個人的に、作中で一番刺さったポアロのセリフ。

「殺人は認めない。世のためにならない悪人であっても殺してはいけない。人は獣よりマシな存在でないと」と、自身のポリシーを語るシーンは、ポアロの結末を知っている自分はすごく納得させられた。

 

映画レビューサイト フィルマークスに感想を投稿しています。
ユーザー名は「ドラえもんは猫型ロボット」です。
興味あれば覗いて見てください。
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<今年観て面白かったランキング(ブログ掲載のみ)>


1:ナイブズ・アウト 名探偵と刃の館の秘密
2:メランコリック
2:レディオアノット
2:エクストリーム・ジョブ
2:ザ・ベビーシッター
6:ハッピー・デス・デイ
6:ドクタースリープ
8:9人の翻訳家 囚われたベストセラー

9:ダウンレイジ
10:パラサイト 半地下の家族
10:ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド
10:レイヤー・ケーキ
13:ミッドサマー
14:仮面病棟

14:海底47m
16:エスケープ・ルーム
17:プライス 戦慄の報酬
18:ハッピー・デス・デイ・トゥ・ユー

19:ザ・ベビーシッターキラークイーン
20:タイムリミット 見知らぬ影
21:ペットセメタリー2019
22:シライサン
23:コンジアム
24:見えない目撃者

24:オリエント急行殺人事件
26:スケアリーストーリーズ 怖い本

27:21ジャンプストリート
28:輪廻
29:バニシング
30:犬鳴村
31:マンディ 地獄のロード・ウォリアー

ダウンレイジ

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上映日:2018年09月15日 / 製作国:日本アメリカ / 上映時間:90分
ジャンル:スプラッタースリラー

監督:北村龍平 主演:ケリー・コネアー
鑑賞日:2020/10/3
鑑賞媒体:Amazon Prime Video

 

【今作の★の数:★★★★★】 最高。でも、おすすめはできません。(人によっては★かも)

★の数について
★★★★★ 最高。おすすめ。
★★★★  良作。観て損なし。
★★★   普通。
★★    残念。
★    うーん。

 

<この映画は、こんな人にオススメ!>
・『激突!』みたいなスリラー映画が好きな人

スプラッター映画に抵抗がない人

・B級・胸糞映画が好きな人


<オススメできない人>
・胸糞映画が嫌いな人

・映画には、しっかりしたストーリーがないとダメな人

・血を見るのが嫌いな人(R15とは思えないほどグロい)

 

<あらすじ>
大学生の男女6人が相乗りし、周りに木と草しかない道路を車で横断していると、タイヤが突然パンクする。携帯の電波も不安定な場所、街までは遠く、車も通らない。仕方なしに、彼らはタイヤ交換を行うのだが、タイヤから一発の銃弾が転がった。パンクはアクシデントではなく、銃撃を受けていたことに気づくが……彼らを一人のスナイパーが狙っていた。


<感想>

悪趣味な映画!

荒野のど真ん中で、素性の知れない謎の狙撃手に襲われるというシチュエーションスリラー映画。

頭に穴が空き、車は吹っ飛び、人も炎上、そして、「そんなのあり?」というラスト。

YouTube動画『シネマンション』の斉藤さん風にいうと、

「最悪! 最悪!! 最悪!!! でもそれが最高!!!」

というのが個人的な感想。

本作のレビュー点数が軒並み低いのも頷けるが、個人的にはとても楽しめた。この感覚は、韓国映画『チェイサー』を観た時に、

「うわっ! 面白っ。でも、これを人にすすめたら、絶対引かれる」

と感じたのに似ている。

ちなみに「ダウンレイジ」とは「銃弾の射程圏内」を指す用語らしい。兵士たちの間では「戦闘地帯」を意味するらしいが。


本作品の感想を「良かった点」と「残念だった点」に分けて、書いてみたいと思う。

 

<良かった点>


①顔の見えない敵に襲われる恐怖と、そのための設定が面白い

スピルバーグの『激突!』は、顔の見えないトラック運転手に必要に狙われる恐怖を描いたスリラー作品だったが、本作『ダウンレイジ』も顔の見えない狙撃手に突然襲われる男女6名の恐怖を描いている。

この恐怖を表現するためには、「圧倒的な力を持つ敵に対して、逃げ場のない絶望的な状況」という限定的なシチュエーションが必要となってくるが、本作は、それをアメリカらしい「周りに何もない道路」という辺鄙でありながら開放的な場所に設定している。辺鄙だから、街まで何時間とかかるし、車も通らない。そして携帯の電波も不安定。冒頭数分でこのシチュエーションを説明する無駄のないカットもお見事。

また、登場する男女6名のそれぞれの人生背景も多くは説明せずに、無慈悲に蹂躙される様を焦点としたのは個人的には〇。

そういう狙いがあったのかはわからないが、無名な俳優陣を使い、あくまでスプラッター描写過激なスリラー映画に振り切っていることで、作品の深みは出ていないが、顔の見えない狙撃手との誰が生き残るかわからないバトルロワイアルに集中することができた。

 

②ドS全開のシーンの数々

浅学で映画初心者なため、北村龍平監督(実写版『ルパン三世』や実写版『あずみ』の監督)の作品は初めて観たが、「こんなにドSなのか!」と感じた。まるで三池監督のような作風だと思った。

そのくらいに、襲われる6人に対して容赦のない展開の数々。

作品冒頭から、撃たれて頭に穴が空くは、死体に虫たかってカラスが死肉をついばむは、喉カラカラの状況でなけなしの水を飲もうとしたら手ごと撃ち抜かれて血染めのペットボトルが転がるわ、と、痛々しいシーンの数々が、登場人物たちの絶望感を色濃く表していた。個人的には、撃たれて死んだのに、生体反応でいびきをかくという描写が妙なリアルさがあり、グロかった。

(これ、本当にR15? 18でもいいんじゃないの?)

中盤で、ある人物が何度撃たれても立ち上がるシーンは、まるで日本のヤクザ映画を見ているようだった。

それにしても……監督が日本人でも、俳優がアメリカ人だとリアクションがいちいちオーバーで見ていて画になる。とても画面映えがする。「日本人は口で会話をし、アメリカ人はジェスチャーで会話をする」という言葉が頭に浮かんだほど、主人公たちのやられっぷりがしっくりときた。

 

②オチ

「うわー、こうなるの!」

監督のドSさが全開な終わり方。これは賛否分かれるかもしれない。

でも、個人的には好き。

これだけ緊迫感のある展開続いて、最後これって。「ああ、B級映画だ」と思った。

でも、まあ、最後まで生き残る人選を考えたら、納得な終わり方だったかなとも思うし、そもそも×××が最後まで残るなんて想像もしていなかったよ。

あと、最後に素性の知れない狙撃手の銃のストックに殺害人数が刻まれていて、おそらくは従軍してPTSDとかで殺人鬼になってしまったという人物背景が垣間見えた。細かい演出だとは思ったが、好印象。


<残念だった点>

①矛盾のあるやりとりに力ずくな終盤の展開

おそらくこの映画の評価を下げているのが、この辺かと思う。

遮蔽物のない荒野で足撃たれて大の字になっているのに、「血を止めるために足上げてベルトで止血しろ」と指示したり(狙い撃ちされるよね)、「走って林に逃げ込もう」という提案に対して「走行中のタイヤを打ち抜くような精度の狙撃手相手には無駄死だ」と却下したのに、電波の良い場所探すために自撮り棒に携帯括りつけて伸ばしたりとか(普通に携帯撃ち落された)。いくらパニックになっているからとはいえ「え? そんなんして大丈夫なん?」と思うシーンがちょいちょい出てくる。

極めつけは、終盤の展開。

話を畳まないといけないとはいえ、彼らが登場してからの

「え? ええー? ……はあ?」は、力ずく過ぎたかなとは思った。

(ネタバレのため、詳しくは書けません)

 

まとめると、人には薦めにくいが、個人的にはシチュエーションスリラーの良作。素性の知れない敵に、道のど真ん中で襲われるという設定はとても面白く、襲われる男女6名のリアクションもいい。また、俳優陣も無名で、誰が生き残るかわからないバトルロワイアル的な面白さがある作品。ただ、スプラッター描写はとても過激かつオチまで含めて悪趣味なドSな映画(褒めてます)なので、人体破壊とか、血がドバドバとか、耐性のない人は観ない方がいいと思います。

 

映画レビューサイト フィルマークスに感想を投稿しています。
ユーザー名は「ドラえもんは猫型ロボット」です。
興味あれば覗いて見てください。
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<今年観て面白かったランキング(ブログ掲載のみ)>


1:ナイブズ・アウト 名探偵と刃の館の秘密
2:メランコリック
2:レディオアノット
2:エクストリーム・ジョブ
2:ザ・ベビーシッター
6:ハッピー・デス・デイ
6:ドクタースリープ
8:9人の翻訳家 囚われたベストセラー

9:ダウンレイジ
10:パラサイト 半地下の家族
10:ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド
10:レイヤー・ケーキ
13:ミッドサマー
14:仮面病棟

14:海底47m
16:エスケープ・ルーム
17:プライス 戦慄の報酬
18:ハッピー・デス・デイ・トゥ・ユー

19:ザ・ベビーシッターキラークイーン
20:タイムリミット 見知らぬ影
21:ペットセメタリー2019
22:シライサン
23:コンジアム
24:見えない目撃者
25:スケアリーストーリーズ 怖い本

26:21ジャンプストリート
27:輪廻
28:バニシング
29:犬鳴村
30:マンディ 地獄のロード・ウォリアー

余談④至高のナポリタンを作ってみました

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普段は映画見て、初心者丸出しの感想を上げているドラ猫ロボットです。

本日の昼下がり、YouTube動画を見ていて食べたくなったので、作ってみました。

 

『至高のナポリタン』

※写真ははっきりいって上手くいってないです。ドラ猫ロボットなので、ご容赦ください。

 

料理研究家リュウジさんって皆さん知ってますかね?

テレビにも出て、あの”ジャガアリゴ”を考案してバズッた有名人なので、今更説明するまでもないとは思いますが、彼の上げているYouTube動画チャンネル『料理研究家リュウジのバズレシピ』は、超簡単に、とーーーても美味しいものが作れるので、自分もお世話になっています。

 

そんなリュウジさんが上げた動画の中でも人気なのが、本日ドラ猫ロボットが作った”至高のナポリタン”。

簡単な材料で、喫茶店の本格的な味が味わえるので、自分も何度が作っておりました。

↓ 動画は、下

 


これ以上のナポリタンを僕は知らない…【至高のナポリタン】

 

これ、本当に美味しい。

詳細は、動画を見てもらえば分かりますが、

材料がとってもお手軽。

①パスタ 100g※あとで説明しますが、自分は失敗しました

(麺サイズは太めがソースが絡んで美味しい。家には細めしかなかったですが)

②ケチャップ 大さじ 4(60g)

③ウィンナー 3本

④玉ねぎ 1/4個

⑤ピーマン 小さめ 1個

⑥ホワイトマッシュルーム 2個※家になかったので入れてません

⑦バター 10g

⑧粉チーズ 1から2振り

⑨油 小さじ 2

マッシュルーム以外は、どこの家にもあるものでできる。

いちいち買い物に行かないでいいのが素晴らしい。

 

ドラ猫ロボットも、動画の通りに途中までは作ってました。

まずは、

①油を引いたフライパンに、斜め切りしたウィンナーを入れて、肉の旨味を油に入れていきます。

※ウィンナーを斜め切りするのは、旨味が油に出やすくするためらしいです。

次に

②縦にスライスした玉ねぎを入れて、しんなりするまで炒めます。ウィンナーの旨味が玉ねぎに移ります。

そして、重要ポイント

③ケチャップを投入して、酸味を飛ばします。ここでのケチャップの旨味がナポリタンの味となるので、超重要工程。マッシュルームがあったら、ここで投入。キノコの旨味を入れていきます。

※キノコには、かつお節のイノシン酸、昆布のグルタミン酸、同様に、グアニル酸という旨味成分が豊富に含まれています。秋には是非、食べたい食材ですね。

次に

④パスタを茹でます。

袋の表示時間通り、たっぷりのお湯に、1%の塩。お湯に油を少し入れて、パスタ同士がくっつかないように、時々かき回します。

ここで、ドラ猫ロボットは大失敗!!

家にあったのが、ダイエット食品の蒟蒻パスタしかなかった!!

昭和 蒟蒻効果 400g×3個

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  • 発売日: 2017/09/01
  • メディア: 食品&飲料
 

このパスタ、蒟蒻が練りこまれているので、カロリーが1/4カットされていて、味も美味しいらしいのですが、なんと茹で時間が12分!!

自分は、いつも使っている「マ・マー」の7分の早茹でを想像していたため、動揺して何度も確認し、フライパンの中の具材を焦がすという痛恨のミス。

画像のウィンナーが焦げているのはそのため。

……まあ、失敗は失敗で、次は、

⑤バターとピーマンをフライパンに加える。最後にピーマンを入れるのは、ピーマンの香りを出すため。ただし、苦みが嫌いな人、火はしっかりと通した方がよい。

⑥茹で上がったパスタを入れて、炒める。湯切りはそんなにしっかりしなくてもOK。

リュウジさんが動画内でいっていた「パスタはイタリアではあえ物。でも、ナポリタンは日本発祥なので、炒め物」の言葉に納得ができます。炒めた時のバターの香ばしさと、パスタがオレンジに色づく美しさ。見た目からして美味しそう。少し焦げてますが……。

人によっては、この仕上げの段階で、ウスターソースを入れてスパイシーさを出す人もいるらしい。小さじ 1くらいだとは思うけど。

 

皿に移して、粉チーズを振りかけて、

出来上がり!!

 

実食。

 

焦げていたとしても、相も変わらず美味しい。

”至高のナポリタン”の名に恥じない。

ウィンナーから出た肉の旨味に、バターのまろやかなコクと、ケチャップの甘味。酸味を飛ばしているため、とても食べやすい一品になっていました。

この簡単さで、この味は最高ですね。

余談ですが、日本の海上自衛隊は、毎週金曜日にカレーを出しているそうですが、来賓が来たときは、具材を炒めるバターの量を増やすのだとか。そうすると、コクがあってまろやかなカレーに仕上がるらしいです。

 

このナポリタンも、バターのコクが癖になります。

皆さんもぜひ、作ってみてください。

 

リュウジさんのレシピ本。↓

麺・丼・おかずの爆速バズレシピ101

麺・丼・おかずの爆速バズレシピ101

  • 作者:リュウジ
  • 発売日: 2018/07/20
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 時短で、簡単に美味しい料理が作れるので、めんどくさがりな自分には重宝しています。リュウジさん、ありがとうございます。

 

いつもと趣向を変えて、料理のカテゴリを入れてみたドラ猫ロボットの余談でした。

次は、パスタの茹で時間をしっかりと確認して作ります。

21ジャンプストリート(出演者のネタバレあり)

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上映日:日本劇場未公開/ 製作国:アメリカ / 上映時間:105分
ジャンル:アクションコメディ
監督:フィル・ロード/クリストファー・ミラー 主演:ジョナ・ヒル/チャニング・テイタム
鑑賞日:2020/9/26
鑑賞媒体:DVDレンタル

 

【今作の★の数:★★★】 普通。

★の数について
★★★★★ 最高。おすすめ。
★★★★  良作。観て損なし。
★★★   普通。
★★    残念。
★    うーん。

 

<この映画は、こんな人にオススメ!>
アメリカのドラマ『21ジャンプストリート』が好きな人

・ハイスクールを舞台にしたコメディ作品が好きな人

・バディもの作品が好きな人

・豪華な俳優陣の昔の姿が見たい人


<オススメできない人>
アメリカ特有の下品でくだらないコメディ作品が嫌いな人

 

<あらすじ>
高校時代は、水と油だった肉体派頭脳ゼロのジェンコとオタクで運動神経ゼロのシュミット。二人はともに警察学校に入学し親友となる。公園パトロール中に麻薬の売人を逮捕するが、へまをしてしまい、ジャンプストリート署という青年犯罪を撲滅するための潜入捜査専門の警察署へ配属される。学校内にドラッグが蔓延しているというセイガン高校へ潜入し、薬の元締めを探す二人だったが、あまりの楽しさに高校生活をエンジョイしてしまう……。


<感想>

1987年から1990年に放送された同名のアメリカドラマの映画化。ドラマは、ジョニー・デップの初主演作でアイドル的な人気を得て、出世作となった作品。

映画版も日本では未公開だが、全米で1億ドルを超える興行収入をたたき出し大ヒットとなった作品。


本作品の感想を「良かった点」と「残念だった点」に分けて、書いてみたいと思う。

 

<良かった点>


①豪華な俳優陣

レビューサイトの評判が良かったので、何気なくTSUTAYAでレンタルをして鑑賞。

パッケージ表のジョナ・ヒル(『マネー・ボール』のオタク役)とチャニング・テイタムしか見ていなかったので、出演している役者陣の豪華さに鑑賞中にびっくりした。

潜入したジョナ・ヒル演じる警官シュミットと仲良くなる女子高生=スクールカースト上位の女の子・モリーが、少しぽっちゃりしていたが、とても可愛かったので、気になって調べてみたら、ブリー・ラーソンだった!

え! キャプテン・マーベル!? 

顔がポチャッとしていたから気づかなかった。

(ネタバレ)

そして、終盤に21ジャンプストリート署の先輩潜入捜査官役として、ジョニー・デップが登場!

ドラマ版の役割そのままに、トム・ハンソンとして出演したので、ドラマ版が好きだった人には堪らないのではないか。

 

②下品な下ネタ満載のいかにもなアメリカンブラックコメディ

いやはや、文化の違いとは恐ろしいものですね。

「身障者スペースに車を止めよう、そっちの方がイケてる」とか、

「頑張るヤツを笑え、絡んでくるヤツは殴れ、高校でモテる秘訣だ」とか、

コメディ作品とはいえ、今の日本ではコンプライアンスに引っかかる言動の数々。

そもそも舞台となっている高校からしてヤバイ。

ドラッグが蔓延していて、ホームパーティーではラリッて、乱交・酒・殴り合いとやりたい放題。参加したティーンエージャーのコメントが「最高にクール」とは、お前ら本当に高校生か?

いかにもなアメリカ的な黒い笑いの連続で、好きな人には中毒性のある作品となるだろうが、苦手な人には引いてしまう作品だと思う。

ただ同時に、友情や努力の結実といったホロリとさせられる描写も終盤に盛り込まれており、アメリカのコメディらしく非常に観やすい作品だとも思う。

特に肉体派で頭からっぽなチャニング・テイタム演じるグレッグ・ジェンコの健気さは泣ける。

序盤で、ミランダ警告が覚えらずに犯人を起訴できなかった失敗から、歯磨きしながら復唱して、最後には、見事に犯人に告知するという展開は胸熱だった。

ミランダ警告とは……アメリカで警察などの法執行機関が、身柄を拘束した被疑者を取り調べる前に、被疑者に対して行う4項目の警告。①黙秘権があること②供述は不利な証拠として採用される可能性があること③弁護士の立会を求める権利があること④経済的余裕がなければ公選弁護人を付けてもらう権利があること。この警告がされない場合、被疑者の供述は公判で証拠として採用されない。

かつてエンジョイできなかった高校生活を楽しむシュミットや、アホなのに上級化学クラスのオタクたちと友情を築いていくジェンコのある意味サクセス的な描写も面白かった。


<残念だった点>

①下品な笑いが多い

 

アメリカのコメディに馴染みのない人は、笑いどころだったり、面白みだったりが分からないかもしれない。

※まあ、そういった人は、この作品は観ないか……。

 

まとめると、アメリカブラックコメディの良作。下品な笑い満載で、コンプライアンス何するものぞ的な作品。そういった笑いを求めている人には、生涯ベストな作品になるのではないだろうか。教育的によくないので、お子様とは観ないことをオススメします。

 

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<今年観て面白かったランキング(ブログ掲載のみ)>


1:ナイブズ・アウト 名探偵と刃の館の秘密
2:メランコリック
2:レディオアノット
2:エクストリーム・ジョブ
2:ザ・ベビーシッター
6:ハッピー・デス・デイ
6:ドクタースリープ
8:9人の翻訳家 囚われたベストセラー
9:パラサイト 半地下の家族
9:ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド
9:レイヤー・ケーキ
12:ミッドサマー
13:仮面病棟

13:海底47m
15:エスケープ・ルーム
16:プライス 戦慄の報酬
17:ハッピー・デス・デイ・トゥ・ユー

18:ザ・ベビーシッターキラークイーン
19:タイムリミット 見知らぬ影
20:ペットセメタリー2019
21:シライサン
22:コンジアム
23:見えない目撃者
24:スケアリーストーリーズ 怖い本

25:21ジャンプストリート
26:輪廻
27:バニシング
28:犬鳴村
29:マンディ 地獄のロード・ウォリアー

海底47m

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上映日:2017年08月12日 / 製作国:アメリカ / 上映時間:90分 ジャンル:パニックホラー
監督:ヨハネス・ロバーツ 主演:マンディ・ムーア
鑑賞日:2020/9/26
鑑賞媒体:NETFLIX

 

【今作の★の数:★★★★】 良作。観て損なし。

★の数について
★★★★★ 最高。おすすめ。
★★★★  良作。観て損なし。
★★★   普通。
★★    残念。
★    うーん。

 

<この映画は、こんな人にオススメ!>
・『奇跡体験! アンビリバボー』というテレビ番組が好きな人

・真面目なサメ映画(おバカではない)が好きな人
・深海の暗さや息苦しさに恐怖を感じる人
・お手軽にサクッとパニック映画が見たい人

<オススメできない人>
・海が苦手な人
・「サメ映画」に期待して観ようと思う人

 

<あらすじ>
休暇でメキシコで訪れた姉妹。妹・ケイトは現地で知り合った男性の誘いで、檻に入り、間近でホオジロザメが見られるアクティビティ誘われる。一方の彼氏に振られて傷心の姉・リサは乗り気ではなかったが、ケイトに説得されて沖へ出る。保護用の檻に入り、海の中を堪能しているのも束の間、水上の船とをつなぐケーブルに故障が発生し、二人は檻ごと水深47メートルの海底へ落下してしまう。
船との通信も途絶え、背負ったボンベの酸素も残り少なくなっていく。絶望的な状況の中、彼女たちの周辺にはホオジロザメが回遊していた……。


<感想>

余計な描写をそぎ落とし、危機管理の薄い安っぽいアクティビティに参加した姉妹の恐怖を90分というコンパクトな時間で描き切っている良作。


本作品の感想を「良かった点」と「残念だった点」に分けて、書いてみたいと思う。

 

<良かった点>
①フジテレビ系のテレビ番組『奇跡体験! アンビリバボー』のような映画

 

ポスターの画像だと、いかにもサメにガシガシ襲われる『ジョーズ』や『ロスト・バケーション』みたいな映画を想像するが、本作は趣が少し違う。

現地で知り合ったイケメンに、知り合いの船がやっているという格安アクティビティを紹介され、ホイホイついていった姉妹が窮地に陥るというフジテレビ系『奇跡体験! アンビリバボー』を見ているかのような映画。

※『奇跡体験! アンビリバボー』とは……世界各国で起きた事件・事故などを、再現ドラマをもとに検証するフジテレビ系のドキュメンタリー番組。主に、ほんのちょっとしたきっかけで人生が狂ったり、予想もしない出来事に振り回せれる人々の悲劇を扱っている。案内人をビートたけしが務めている。面白い!

 

国が認定していない格安アクティビティ。ボロボロの船に、ろくに手入れもしていないお粗末なケージ。ダイビング経験のない主人公を黙認する船長に、お調子者の船の助手。禁止されているサメを集めるための撒き餌を行うなどなど、これで事故が起きないわけがないという、ずさんな管理下で、案の定事故が起きてしまうという、現実にありそうなストーリー構成が素敵。

見ていて、「これって実際の話では?」と思ったほど現実的な惨劇といわれても違和感がなかった。

なので、『奇跡体験! アンビリバボー』が好きな人にはオススメできる作品だと思う。

また、話の設定や構成が丁寧で、見ていて妙に納得させられる。

映画ならではの展開は、終盤に用意されているが、海底から急浮上することによって起こる潜水病の障害や、ボンベを使用しすぎることで起こる窒素酔いなど、妙にリアルな設定がされている。(自分はダイビング知識がないので、本当かどうかはわからないが)その設定のため、主人公たちが窮地に陥いることに説得力があったり、映画ならではのあのオチにつながっている。

 

②あますことなく描く海の恐怖

海が怖い人には、観れない映画だと思う。

水を透かして見える6メートル級の巨大サメが跋扈する海底は、呼吸ができず、光も届かずに暗い。足もつかない水の中を上も下も分からないままさまよう。そこを自由自在に泳ぐ怪物が襲ってくる。場所も行動も制限がある中で、化け物に襲わせるという恐怖をあおるには最高のシチュエーション。

特に苦手意識のない自分でも「海って怖い」って思ってしまった。

綺麗な映像で描く水の質感もいい。

冒頭でカクテルを水の中にこぼして、赤いアルコールが水に滲むシーンや、撒き餌として投げた魚の頭がゆっくりと水中に沈んでいくシーンなど、不穏な映像と美麗な水の描写も怖さを表現していた。

 

③オチが良い

終盤の展開。

製作陣は絶対Sだと思う。

ダイビング経験のない姉・リサが窮地に追い込まれてから、突然に覚醒し、機転よくサメを追い払ったり、閉じ込められた檻から脱出したりと、『ダイ・ハード』のジョン・マクレーンばりに活躍するのだが、その後の展開がエグイ。

丁寧に前振りをしているから、想像はつくのだが、それにしてもあのオチは残酷だ。個人的には「普通に考えればそうだよね」のオチをつけた製作陣には好印象だったが。


<残念だった点>

①サメ映画としてみると……

物足りない。

『MEGU』はもちろんだが、『ジョーズ』や『ロスト・バケーション』みたいな映画を想像してみると肩透かしを受けると思う。

そもそもが、雑なアクティビティや海の恐怖を主題に描いているので、サメはあくまで脅威のひとつであり、それほど活躍しない。むしろ現実のサメのように知能がさほど高くなく『ジョーズ』のようにガンガンと襲って来ない。

また、被害にあう主人公姉も、彼氏に振られて前半ウジウジばかりしていて、後半パニックになりギャーギャーわめくという、颯爽と窮地に立ち向かうヒロイン的な人物ではなく、等身大の女性として描いているので、苦手な人は拒否反応をするかもしれない。


まとめると、実際の事件を基にして描いたような、海の恐怖をいかんなく描いた作品。あくまでサメはおまけ程度なので、サメ映画としては観ずに、海難パニック映画として観ると味が出てくると思う。

90分という短い時間でサクッと観れるのもおススメの点。

 

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9:パラサイト 半地下の家族
9:ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド
9:レイヤー・ケーキ
12:ミッドサマー
13:仮面病棟

13:海底47m
15:エスケープ・ルーム
16:プライス 戦慄の報酬
17:ハッピー・デス・デイ・トゥ・ユー

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