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ペット・セメタリー2019(ネタバレあり)

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上映日:2020年01月17日 / 製作国:アメリカ / 上映時間:101分

監督:ケヴィン・コルシュ/デニス・ウィドマイヤー 主演:ジェイソン・クラーク/ジョン・リスゴー

8/10 鑑賞 鑑賞媒体:DVDレンタル

 

【★の数:★★★】

 

★の数について

★★★★★ 最高。おすすめ。

★★★★  良作。観て損なし。

★★★   普通。

★★    残念。

★    うーん。

 

<あらすじ>

多忙だった都市部での生活から家族との時間を作るために、田舎に引っ越した医師ルイス。新居の裏には不気味な動物の墓地(ペットセメタリー)があった。墓地は、先住民が捨てた”呪われた土地”とされ、その町では、死んだ牛が生き返ったり、棺桶で還ってきた兵士が蘇ったという話があった。 ある日、ルイスの飼い猫チャーチが事故に遭い死んでしまった。ルイスは、近隣に住む老人・ジャドの勧めで、先住民の「呪われた」墓地に猫を埋葬する。そして、次の日チャーチは蘇った。生前の穏やかな性格ではなく、むやみに人を傷つける獰猛な性格になって。

そんな中、娘のエリーが交通事故で亡くなってしまう。悲観にくれるルイスは禁忌に溺れていく……。

 

 

<感想>※ネタばれ含む。 注意!!

「偉大なるエリー様だ……」
エリー役のジュデ・ローレンスの180度変わる演技よ。

親しい者の死に対しての人間の心の弱さを描いた、スティーブン・キングの名作ホラー映画のリメイク。

個人的には、子供の頃にリメイク元を観て、トラウマ的な怖さを刻み付けられた思いで深い作品。
そんな思い入れもあり、評判も良かったので楽しみにして鑑賞。

が……。

 

まず、原題は『ペット・セマタリー』であり、冒頭の墓地の標識にも書いてある。

調べたところ、これは、アメリカの子供がよくやるスペル間違いで、"CEMETERY"を"SEMATARY"と書いてしまうことから、原作者のキングがタイトルにしたらしい。

 

今回のリメイク作品、個人的には、良かった点と残念だった点が散見した。

 

 <良かった点>

①オープニング

オープニングの燃える家、血の跡が這う家の路地、血塗られた扉、と不穏な空気を漂わせて、一家にどんな惨劇が起きたんだろうと、これが(おそらく)どうエンディングにつながっていくのだろうと不安に思わせる演出が良かった。

 
②リメイク元からのストーリー変更。
リメイク元を観て、前知識なしに今作を観ると間違いなく驚く。

原作やリメイク元作品は、幼い弟が事故で亡くなり、蘇って家族を襲うという話だったが、今回は上の娘のエリーが事故に遭い亡くなる構成に変更されている。

しかも、リメイク元は弟の眼前に迫るトラック→事故だったのに、今作は、弟の眼前に迫るトラック→主人公により救出→それにより荷台が娘に直撃。というループものでよくあるような、惨劇を回避したら別の惨劇が訪れた、みたいな作りになっていて、リメイク元ファンが楽しめる要素を盛り込んでいる。

また、蘇った死者となって襲うのが、幼く知恵の働かない弟ではなく、ある程度分別のついている娘だったことで、襲われる恐怖が増した。


特にエリー役のジュデ・ローレンスの演技がいい。
前半では、両親に従順で無垢、バレエを踊ったり、ハロウィン仮装をしたりと天使のような姿を見せる。これが死者となって蘇った際の、潰れた右目、抜け落ちる髪の毛、青白い肌と生気のない声という180度違ったギャップを見せている。

※家でアニメを見るシーンがあるが、アメリカの子供が見るアニメが『スポンジボブ』で文化圏の違いを感じた。

 

〈残念だった点〉
①エンディング

いただけない。

あれだけ全編を通して愛ゆえに狂っていく主人公ルイスを描写しているのに、娘が狂暴になったら、あっさりと殺そうとするのはどうなのか?
DVDに特典として収められていた「もう一つのエンディング」の方がずっと良かった。

父親の愚かさを体現し、禁忌にみまみれても、家族を構成しようとする構図は、『シャイニング』のジャックに通じる狂気があり(カットもおそらく『シャイニング』を意識したのだと思う)、不穏だったオープニングへと帰結する。こっちの方がしっくりときた。

 

②ビクター・パスコウの扱い
リメイク元では何かと主人公に助言をしてくれた心優しい幽霊だったのに、今作ではほとんど出てこない。元作品の最後に、パスコウが主人公に向かって「やめろ」と叫ぶシーンが、切なさや人間の弱さを表していて良かったんだのだが、うーん。

 

③母親・レイチェルのトラウマ描写

「そこまでいるか?」と思うほどに、過去に姉を亡くしたトラウマを描いていたが、彼女が死を避けるようになったきっかけとしてはいいのかもしれないが、尺を取り過ぎに思えた。

だったら、隣人の老人・ジャドの過去をもっと掘り下げて、魔が差したにしても、なぜ「猫を埋めよう」なんて提案したのかを明確にした方が良かったのではないか。

 

全体を通して、期待が大きすぎたせいか、少し残念な感じを受けてしまった。
ただ、子を思うあまり狂気に染まっていく親心だったり、愛した子供に襲われる恐怖だったりと、人間の愛ゆえの怖さはあるので、ホラー映画好きにはオススメ出来る作品。主人公の行動を因果応報と捉えるか、悲劇と捉えるかで感じ方も変わると思う。
また、R15指定はついているが、そこまでのグロさもないので、ホラー映画耐性のない人でも観れるのでは。

 

この作品で得た教訓。
・人の忠告はちゃんと聞こう
・安全運転は大事

 

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興味あれば除いて見てください。

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