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輪廻

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製作国:日本(2005年)/ 上映時間:96分 ジャンル:ホラー

監督:清水崇 主演:優香

鑑賞日:2020/9/12

鑑賞媒体:DVDレンタル


【今作の★の数:★★★】 普通。

 

★の数について

★★★★★ 最高。おすすめ。

★★★★  良作。観て損なし。

★★★   普通。

★★    残念。

★    うーん。

 

<この映画は、こんな人にオススメ!>

清水崇監督が好きな人

・Jホラー映画が苦手でも見たい人

・優香さんのファンの人

 

<オススメできない人>

・Jホラーのじめっとした怖さが好きな人

・人形が怖い人


<あらすじ>

1970年(昭和45年)、群馬県の尾野観光ホテルで無差別大量殺人事件が発生した。犯人は大学の法医学教授・大森。被害者は大森の幼い娘と息子を含む11人。犯人の大森は犯行直後に自殺したため、動機はまったく不明であった。

35年後。映画監督の松村は、この事件を題材にした映画を撮ろうと、遺族から当時の資料や殺害された少女の形見である人形を借りて、脚本を執筆。出演者を決めるオーディションを開く。新人女優の渚は、映画の主演である少女の役に抜擢されるが、オーディションの日から、人形を抱えた見知らぬ少女の幻覚と、行ったこともないホテルの夢を見るようになる。時を同じくして、大学生の弥生も、訪れたことのないホテルの夢を頻繁に見るようになっていた。現実世界で、まったく関わりのない渚と弥生が見る夢の正体とは……。

 

<感想>

 

清水監督の新作『犬鳴村』が、個人的には「……」な出来だったので、去り行く夏にJホラーの怖さを味わいたかったので、過去作の『輪廻』を鑑賞。

本作のキャッチコピーが「ようこそ、前世へ。」だったらしいが、ポスターのおどろおどろしさにそぐわないポップな煽り文句。さて、吉と出るか凶と出るか。

良かった点と残念だった点を以下に挙げてみた。

 

<良かった点>

①豪華な俳優陣に、主演の優香さんの顔芸

劇場公開が2005年。松本まりかさんや小栗旬さんなど、今からすると、豪華な俳優陣がちょっとした役で出演して脇を固めている。※特に松本まりかさん。前世の記憶のある新人女優役で出演しているが、ちゃっと不思議ちゃん入った演技と親しみのあるかわいらしさでとっても良かった。

主演が優香さん。

優香さんの映画主演作は馴染みがなかったので、どんなものかと思ってみたが、なかなかどうして、役に嵌っていた。

特に、童顔で目の大きい彼女の驚いた表情。

目を大きく見開いて震えてみたり、気絶してみたりと、その綺麗な顔芸を存分に味わえる作品になっていて、彼女のファンにしてみたら堪らないのでは。

 

②独特の構成

まさに、清水節ともいうべき、『呪怨』でも見られたような時間軸を入れ替えて描く独特の手法が本作で使われている。

例えば……夢の中で主人公・渚がホテルを訪れると、外に大学生・弥生の姿が。そこで場面が転換して別のシーンに切り替わるのだが、これはただの夢ではなく、後に本当に起こる出来事で、自身の夢の正体を探るべく弥生がホテルを訪れるシーンへとつながるようになっている。

この時間軸の入れ替えは、不可解な場面が伏線となって後に回収されるという構成の面白さにつながるが、人によっては話を分かりにくくし、難解に感じさせてしまうという諸刃の剣でもある。少なくとも『呪怨』を知っていれば、「ああ、そういうことね」と納得できるとは思うが。

ただ、本作は、この時間軸の入れ替えによって、35年前の事件関係者と現代での輪廻転生をぼかしているので、それなりに効果的な構成だったとは思う。話のオチもしっかりとしているので、観やすかった。

 

③人形の使い方

惨殺された少女の持っていた「人形」がキーアイテムとして度々登場するが、これが気持ち悪い。※『サスペリアPart2』の人形シーンから、あまり人形にいい印象を持っていない自分には、結構刺さった。

特に終盤に主人公の前に登場する人形の「足」と「顔」。気持ち悪い。人形が気持ち悪いと思うのは、人の姿を模しているからなのかなあ。

 

<残念だった点>

①怖くない

 

これにつきる。

呪怨』を想像して観てしまうと、恐怖の表現がかなり控えめ。

直接的な血がドバーとか、化け物がドーンとかではなく、過去にあった悲劇的な惨劇を恐怖として見せているので、なんというか間接的なホラー映画と感じた。「Jホラー映画は苦手なんだよなあ」という人にはオススメかもしれないが、『呪怨』みたいなストロングスタイルを想像して観ると肩透かしをくらうかもしれない。

本作の作り方としては、ホラー映画というよりは、「事件の転生者は……」というミステリ映画テイストが強かったように思う。

 

まとめると、

面白かったが、想像していたものとは違った。

これが観終わった後の正直な感想。

決して内容にケチをつけるわけではないが、ホラー映画を観ようとして鑑賞した身としては、なんか納得がいかない。

『マローボーン家の掟』に通じるものがあった作品だった。

 

 

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