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ザ・ベビーシッター(若干ネタバレあり)

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配信開始日:2017/10/13 製作国:アメリカ / 上映時間:85分  ジャンル:コメディホラー

監督:マックG 主演:サマラ・ウィーヴィング/ジュダ・ルイス

鑑賞日:2020/9/20

鑑賞媒体:NETFLIX


【今作の★の数:★★★★★】 最高。おすすめ。

 

★の数について

★★★★★ 最高。おすすめ。

★★★★  良作。観て損なし。

★★★   普通。

★★    残念。

★    うーん。

 

<この映画は、こんな人にオススメ!>

NETFLIXに加入している人

・『ハッピー・デス・デイ』みたいなホラーコメディ映画が好きな人

・ノリの軽いアメリカ映画が好きな人

・エロ・グロ表現に嫌悪感のない人

・隙間時間にサクッと面白い映画が見たい人

タランティーノ作品が好きな人

ジュブナイル系の作品が好きな人

 

<オススメできない人>

・血がドバーとか、頭がボーンとかの人体欠損描写が苦手な人(コメディタッチで描いてるがなかなかグロい)

NETFLIXに加入していない人(配信限定作品)


<あらすじ>

12歳の少年、コール・ジョンソンは、少し変わった少年。自分が変わっていることを認識していて、それがコンプレックスになっている。両親は12歳の彼に、ビーという高校生の美人なベビーシッターをつけていて、彼女と過ごす日々がコールは楽しかった。ある夜、コールの両親は夫婦水入らずの一夜を過ごすために出かけ、ビーはいつものようにコールの面倒を見ていてた。普段は、すぐに寝てしまうコールだったが、その日は、自分が寝た後にビーが何をしているのかが気になりこっそりと彼女の様子を窺うことにした。そこで彼が目にしたものは……同じ高校の友人たち5人を招き入れていたビーの姿だった。簡単なゲームに興じていた彼女たちだったが、突然ビーが仲間の一人の頭にナイフを突き立てたことで事態が急転する。思いも寄らない光景を目にすることになったコールの恐怖の一夜が始まってしまう。

 

<感想>

すっごっっっっっっっく面白かった!

なんだ、これ? これがNETFLEXの力なのか?

独占配信にするにはもったいないくらいの作品。

個人的には、観れない人に、今すぐNETFLEXへの加入を勧めくらいのホラーコメディ映画の良作だった。

それにしても、サマラ・ウィーヴィングとジュダ・ルイスか。

『レディ・オア・ノット』や『サマー84』など、日本未公開の良作に出ていた俳優陣が、今度はNETFLEX独占配信の作品に出演しているという事実に、にやりとした。

特にサマラ・ウィーヴィング、良かったなあ。『レディ・オア・ノット』も感じたけど、完璧なブロンド美人なのに、やさぐれた演技が板についていて素敵。

 

本作品の感想を「良かった点」と「残念だった点」に分けて、書いてみたいと思う。

 

<良かった点>

①ホラーコメディ映画の良作

アメリカ映画独特のノリの軽さ。

この個性が本作は一段と光っている。とてつもない深刻な事態が発生しているのに、笑いで流してしまう能天気ともいうべきに軽いノリと空気感。日本映画でも韓国映画でもこの軽さは出せないようなあ。

作品としては、設定と演出の巧さが光る。

作品自体は、コール君がビーたちの目的を知った事で命を狙われることになるという、「信じていた者に裏切られ、襲われる恐怖」を題材とした、ともすればありふれた話なのだが、後述する登場人物たちの特異さと、タランティーノ調のおふざけの入った演出の数々が、話のもの悲しさをぶっ飛ばす。家の中で抵抗するコール君に次々と撃退されるビー一味のピタゴラスイッチ的な死に様が『ファイナルディスティネーション』を連想させて、各人の死に方はかなりグロいのに、観ているものを本気で笑わせるという、良質のコメディに変質させている。

隙あらば笑わせにくるセリフ回しもいい。

大量の血を浴びた敵の一人が叫ぶシーン。

「なんてことだ! 4人に3人は性病を持っているんだぞ。俺は二度も血を浴びた! オレは、エイズに感染した!」いや、コンプライアンス的にやばいだろ、コレ。

特に終盤で唐突にかかるQueenの『We Are the Champions』、そして、あの「想定外」のシーン。いやー、凄いね。おバカ映画だわ、こりゃあ。シリアスな内容なのに、中身おバカ映画って、『ハッピー・デス・デイ』を思い出させるなあ。

構成も巧い。85分という限られた時間の中で、冒頭から一切無駄な場面がなく、映し出された一見意味のないシーンが、必ず後に使われるという伏線回収がされていて、非常に見やすい映画になっている。

 

 

 

②主人公コール君をはじめとした各キャラクターの個性が強すぎる点

この映画は「残酷な『ホームアローン』テイスト」が盛り込まれていて、惨状となった自身の家で、殺人者たちを駆逐していくという主人公コール君のヒーロームービーとしての側面がとても強い。そして、肝心のコール君はというと、個性が立ちまくっている。

誰もが認めるイケメンで、注射恐怖症で、SF映画オタクで、頭は切れるが身体は鈍い。学校ではいじめらているもやしっ子なのに、殺人鬼に襲われたら逃げるのではなく迎撃して返り討ちにしたかと思いきや、今どきの子供にしては恐ろしく純粋で、「乱交」の意味を知らずにネットで調べたかと思いきや、警察無線で使用させる暗号を当然のように知っていたりと。なんだこの子、キャプテンアメリカかよ。

彼のいい意味でのおとぼけ具合が、この作品を良作に仕立て上げている要因でもあると思う。所々で挿入される幼馴染メラニー(超カワイイ!)とのイチャイチャ具合も見ていて微笑ましい。

脇を固めるキャラクターもやばい。

特に敵の強キャラ・脱ぎたがりのマックスが面白すぎる。人を殺すことが望みのサイコキラーなのに、殺す対象のコール君が窓から落ちたら、「大丈夫か? 深呼吸しろ」と心配したり、コール君がいじめられていることを知ると、絞殺しようとした途中でも「許せない侮辱だ、あいつをブチのめせ」と解放したり、いじめっ子にやられたコール君を「立ち向かったのは偉い」と慰めたり……本当に、なんなんだ、こいつは。

物語のヒロイン?たる、ビーもいい。完璧なブロンド美人・サマラ・ウィーヴィングが作品の前半部分では、ノリの良い気さくなお姉さんを演じていて、その豪快さと圧倒的な美貌でコール君に寄り添うベビーシッターを好演している。コール君と家の中で踊るダンスシーンは、ほっこりとする。コール君が憧れる理由はよくわかる。

 

<残念だった点>

NETFLIX配信限定作品という点

これだよ。

もっと多くの人に観てもらいたい良作。※血がドバドバ出るから、苦手な人は注意だが。

 

今なら、続編の『ザ・ベビーシッター キラークィーン』も配信されていますので、興味のある人は、是非、 NETFLIXに加入しましょう!

 

 

まとめると、ホラーコメディ映画の良作。

グロいのに、とぼけた登場人物とおふざけの演出で、85分間終始軽いノリで展開する、これぞアメリカ映画という作品。

 

これを独占配信するあたりに、NETFLEXの偉大さと底力を感じてしまう。

『ハッピー・デス・デイ』が好きな人は観てほしい一作。

 

映画レビューサイト フィルマークスに感想を投稿しています。

ユーザー名は「ドラえもんは猫型ロボット」です。

興味あれば覗いて見てください。

https://filmarks.com/

 

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