映画初心者のドラ猫ロボット

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海底47m

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上映日:2017年08月12日 / 製作国:アメリカ / 上映時間:90分 ジャンル:パニックホラー
監督:ヨハネス・ロバーツ 主演:マンディ・ムーア
鑑賞日:2020/9/26
鑑賞媒体:NETFLIX

 

【今作の★の数:★★★★】 良作。観て損なし。

★の数について
★★★★★ 最高。おすすめ。
★★★★  良作。観て損なし。
★★★   普通。
★★    残念。
★    うーん。

 

<この映画は、こんな人にオススメ!>
・『奇跡体験! アンビリバボー』というテレビ番組が好きな人

・真面目なサメ映画(おバカではない)が好きな人
・深海の暗さや息苦しさに恐怖を感じる人
・お手軽にサクッとパニック映画が見たい人

<オススメできない人>
・海が苦手な人
・「サメ映画」に期待して観ようと思う人

 

<あらすじ>
休暇でメキシコで訪れた姉妹。妹・ケイトは現地で知り合った男性の誘いで、檻に入り、間近でホオジロザメが見られるアクティビティ誘われる。一方の彼氏に振られて傷心の姉・リサは乗り気ではなかったが、ケイトに説得されて沖へ出る。保護用の檻に入り、海の中を堪能しているのも束の間、水上の船とをつなぐケーブルに故障が発生し、二人は檻ごと水深47メートルの海底へ落下してしまう。
船との通信も途絶え、背負ったボンベの酸素も残り少なくなっていく。絶望的な状況の中、彼女たちの周辺にはホオジロザメが回遊していた……。


<感想>

余計な描写をそぎ落とし、危機管理の薄い安っぽいアクティビティに参加した姉妹の恐怖を90分というコンパクトな時間で描き切っている良作。


本作品の感想を「良かった点」と「残念だった点」に分けて、書いてみたいと思う。

 

<良かった点>
①フジテレビ系のテレビ番組『奇跡体験! アンビリバボー』のような映画

 

ポスターの画像だと、いかにもサメにガシガシ襲われる『ジョーズ』や『ロスト・バケーション』みたいな映画を想像するが、本作は趣が少し違う。

現地で知り合ったイケメンに、知り合いの船がやっているという格安アクティビティを紹介され、ホイホイついていった姉妹が窮地に陥るというフジテレビ系『奇跡体験! アンビリバボー』を見ているかのような映画。

※『奇跡体験! アンビリバボー』とは……世界各国で起きた事件・事故などを、再現ドラマをもとに検証するフジテレビ系のドキュメンタリー番組。主に、ほんのちょっとしたきっかけで人生が狂ったり、予想もしない出来事に振り回せれる人々の悲劇を扱っている。案内人をビートたけしが務めている。面白い!

 

国が認定していない格安アクティビティ。ボロボロの船に、ろくに手入れもしていないお粗末なケージ。ダイビング経験のない主人公を黙認する船長に、お調子者の船の助手。禁止されているサメを集めるための撒き餌を行うなどなど、これで事故が起きないわけがないという、ずさんな管理下で、案の定事故が起きてしまうという、現実にありそうなストーリー構成が素敵。

見ていて、「これって実際の話では?」と思ったほど現実的な惨劇といわれても違和感がなかった。

なので、『奇跡体験! アンビリバボー』が好きな人にはオススメできる作品だと思う。

また、話の設定や構成が丁寧で、見ていて妙に納得させられる。

映画ならではの展開は、終盤に用意されているが、海底から急浮上することによって起こる潜水病の障害や、ボンベを使用しすぎることで起こる窒素酔いなど、妙にリアルな設定がされている。(自分はダイビング知識がないので、本当かどうかはわからないが)その設定のため、主人公たちが窮地に陥いることに説得力があったり、映画ならではのあのオチにつながっている。

 

②あますことなく描く海の恐怖

海が怖い人には、観れない映画だと思う。

水を透かして見える6メートル級の巨大サメが跋扈する海底は、呼吸ができず、光も届かずに暗い。足もつかない水の中を上も下も分からないままさまよう。そこを自由自在に泳ぐ怪物が襲ってくる。場所も行動も制限がある中で、化け物に襲わせるという恐怖をあおるには最高のシチュエーション。

特に苦手意識のない自分でも「海って怖い」って思ってしまった。

綺麗な映像で描く水の質感もいい。

冒頭でカクテルを水の中にこぼして、赤いアルコールが水に滲むシーンや、撒き餌として投げた魚の頭がゆっくりと水中に沈んでいくシーンなど、不穏な映像と美麗な水の描写も怖さを表現していた。

 

③オチが良い

終盤の展開。

製作陣は絶対Sだと思う。

ダイビング経験のない姉・リサが窮地に追い込まれてから、突然に覚醒し、機転よくサメを追い払ったり、閉じ込められた檻から脱出したりと、『ダイ・ハード』のジョン・マクレーンばりに活躍するのだが、その後の展開がエグイ。

丁寧に前振りをしているから、想像はつくのだが、それにしてもあのオチは残酷だ。個人的には「普通に考えればそうだよね」のオチをつけた製作陣には好印象だったが。


<残念だった点>

①サメ映画としてみると……

物足りない。

『MEGU』はもちろんだが、『ジョーズ』や『ロスト・バケーション』みたいな映画を想像してみると肩透かしを受けると思う。

そもそもが、雑なアクティビティや海の恐怖を主題に描いているので、サメはあくまで脅威のひとつであり、それほど活躍しない。むしろ現実のサメのように知能がさほど高くなく『ジョーズ』のようにガンガンと襲って来ない。

また、被害にあう主人公姉も、彼氏に振られて前半ウジウジばかりしていて、後半パニックになりギャーギャーわめくという、颯爽と窮地に立ち向かうヒロイン的な人物ではなく、等身大の女性として描いているので、苦手な人は拒否反応をするかもしれない。


まとめると、実際の事件を基にして描いたような、海の恐怖をいかんなく描いた作品。あくまでサメはおまけ程度なので、サメ映画としては観ずに、海難パニック映画として観ると味が出てくると思う。

90分という短い時間でサクッと観れるのもおススメの点。

 

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興味あれば覗いて見てください。
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