アイム・ノット・シリアルキラー
上映日:2017年06月10日 / 製作国:アイルランド・イギリス
ジャンル:SFホラー
監督:ビリー・オブライエン 主演:マックス・レコーズ/クリストファー・ロイド
鑑賞日:2020/10/25
鑑賞媒体:U-next
【今作の★の数:★★★★】良作。観て損なし。※でもオススメは出来ないかも
★の数について
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★★★ 普通。
★★ 残念。
★ うーん。
<この映画は、こんな人にオススメ!>
<オススメできない人>
・「突飛なストーリーが展開されるB級映画」が苦手な人
<あらすじ>
主人公・ジョンは、葬儀店を営む家庭に育った影響か、ソシオパス(反社会的人間)と診断され、学校では変わり者として扱われ、セラピストに診断を受けている16歳の少年。ある日、自身が住むクレイトンの町で、謎の連続殺人事件が発生。自宅の葬儀店に運び込まれた被害者の死体から内臓や身体の一部が欠損していたことに興味を持ったジョンは、自ら調査に乗り出し、殺人事件の犯人が隣に住む老人のクローリーであることを知る。ジョンは身近な殺人鬼に興味を持ち、彼に近付いていく……。
<感想>
面白かったー。
クリストファー・ロイド演じる殺人鬼の正体が・・・だったという、すごくB級映画的な展開を抜きにしても、作品自体が、結構丁寧に作られていて飽きなかった。
登録している映画紹介アプリ「フィルマークス」で、フォローしている人の感想読んで興味を持って観てみたが、当たりだった。
※紹介してくれた人ありがとうございました!
最初、あらすじや冒頭の展開を見たときに、
「あ、これ『GOTH』みたいな感じか! 好きなヤツだ」と思ったが、実際は、主人公ジョン君は人間味があって、ソシオパスなんて診断を受けるような子じゃないとは思ったが、逆にそれが彼の成長物語みたいになっていて、いい意味で裏切られた。
↑ 以前『シライサン』の映画感想でも紹介した『GOTH』。小説家・乙一の第3回本格ミステリ大賞受賞作。ガチもんのサイコパス「僕」の視点で描かれる彼と友人の美少女・夜の周りで起こる様々な猟奇事件を扱った連作ミステリ。マジで面白い。
煽り文句の「ソシオパスVSシリアルキラー」は、どっちも当てはまらないかな?
いや、でも作中で「狼男も吸血鬼も殺人鬼だ」といっていたジョン君の言葉を借りれば、謎の老人・クローリーはシリアルキラーか。
本作品の感想を「個人的な見どころ」と「残念だった点」に分けて、書いてみる。
<個人的な見どころ>
・主人公の成長物語
主人公のジョン・クリーヴァー君は、「ソシオパス(反社会的人間)」の診断を受けている変わり者。学校のレポートに連続殺人犯の考察を書いたり、いじめっ子に絡まれたら、彼の住所を告げて「君の箱の中身を見たいなあ」と脅したり、家に持ち込まれる死体を見ては「商売繫盛」と笑ったり、と。
担当するセラピストからは、「殺人犯になる可能性がある」と警告されるなど、物語の中盤までは、「これはガチもののソシオパスが主人公なのか?」と思ったが、中盤・実際の殺人現場に遭遇してからの彼の態度を見ていると、どうもそうではない気がしてきた。
物語の基本軸は、ふとしたことで知った隣の家の殺人鬼(『バック・トゥ・ザ・フューチャー』でドクを演じたクリストファー・ロイドが演じている!)を主人公がストーキングする話なわけだが、ジョン君確かに変わり者ではあるが、決してソシオパスではないと思う。
殺人現場を見てショックで失禁したり(最初は嬉ションかと思ったが、最後まで観ると違うと思った)、疎遠になっている父親のクリスマスプレゼントにいじけたり、気になっている女の子がいたり、人を殴りつけて動揺したり、母親との仲を気にしたりと・・・提示される数々の材料を見るに、「あれ? この子、単に中二病をこじらせてるだけじゃね?」と思わずにはいられなかった。
結果として、中二病の男の子が、殺人鬼を観察する過程で、普通の人間へと成長していく物語として観ると、妙にしっくりと来た。
それらを含めて、改めてジョン君を見てみると、イケメンだし、楽器が扱えるし、殺人鬼の正体を突き止めるくらいに頭も切れるし、常に笑顔で性格もいいし、隣の家の美少女に好かれているし・・・なんだ勝ち組か。
個人的にはこの展開はいい意味で裏切られたが、映画の煽り文句の「ソシオパスVSシリアルキラー」みたいな派手派手なぶっ飛んだ展開を期待したり、ラストのオチに拍子抜けする人には受け付けない映画だとも思うので、人には勧めづらいのは確か。
<残念だった点>
・暗くて地味・・・そしてなりより謎の老人の正体が・・・
自分は高得点をつけたが、多くの人は「はあ?」となるだろうし、その気持ちも痛いほどわかる。
ソシオパス(狂気)とシリアルキラー(狂気)を題材にして扱っている割には、内容がものすごく地味。
人がばっさばっさと殺されるわけでもなければ、主人公がシリアルキラーに襲われるわけでもない。ハラハラもしないし、ドキドキもしない。変わり者の主人公のストーカー行為を見せられるという何とも形容しがたい映画になっている。
そして、何より多くの人が戸惑うだろう謎の老人の正体。
これは、B級映画が許容できる人でないと、怒ると思う。
※序盤から作中で、正体を想像させる描写は、主人公が目撃した老人の殺害手段だったり、犯行現場で聞いた獣の声だったりなど、いくつかあるのだが・・・
どう扱っていいか難しい作品。
軒並、レビューサイトの点数が低いのは、そのためだと思う。
結果として、個人的にはかなり満足度は高かったが、声高に「面白いから見て!」とはいいづらい作品。
でも、こういうのも映画の良さだと思うよ、個人的にはね。
映画レビューサイト フィルマークスに感想を投稿しています。
ユーザー名は「ドラえもんは猫型ロボット」です。
興味あれば覗いて見てください。
https://filmarks.com/
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