メランコリック
上映日:2019年08月03日 / 製作国:日本 / 上映時間:114分
監督:田中征爾 主演:皆川暢ニ
鑑賞日:2020/8/12
鑑賞媒体:DVDレンタル
【今作の★の数:★★★★★】 最高。おすすめ。
★の数について
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★ うーん。
<あらすじ>
東京大学を卒業後、就職もせずアルバイト生活を送っていた主人公・鍋岡和彦。ある夜たまたま訪れた銭湯で高校の同級生・百合と出会ったのをきっかけに、その銭湯で働くこととなる。そして和彦は、その銭湯が閉店後の深夜、風呂場を「人を殺す場所」として貸し出していることを知る。そして銭湯の店主・東や同僚の松本は殺し屋であることが明らかになり、鍋岡も仕事を手伝っていくようになる。
<感想>
なんだ、この映画!?
ジャンルには、サスペンスコメディと書かれている。
確かに主人公・鍋岡和彦の無気力感や妙に達観していて危険なアルバイトに足を踏み入れていく様。「死体処理」という異常な仕事なのに、責任感を発揮するおかしさ。同僚松本の好青年ぶりや何事にも動じない両親など、コメディ要素は多い。
でも、これを笑いと取らないと、サイコパス達が跋扈するとんでもない怪物映画としても見れてしまう当たり、面白さがある。
恋愛要素を絡めた青春映画の要素もあり、一粒で二度・三度美味しい、個人的にはドストライクな映画体験だった。
とても面白かった。
和彦役の皆川暢二さんがプロデューサーを行い、田中征爾監督にとっては初長編作品、しかも監督も松本役の磯崎義和さんも別の仕事を持っている“兼業映画人”とのこと。是非、別の作品も撮って欲しい。
劇中で主人公和彦の独白、
「人生には何度か一生これが続けばいいのにと思える瞬間が訪れる。その瞬間の為だけに生きている。それで充分」
これは監督やこの映画に携わった人のリアルな声とも取れる。感慨深いものがある。
以下に良かった点を述べていきたい。
<良かった点>
①主人公・鍋岡和彦のキャラクターはじめ登場人物たちの個性。
冒頭でヒロイン・百合との会話での「あれ? こいつサイコパスじゃね? でも、違うのか?」と判断が迷うような境界線を作品を通じてずっと歩き続けている。
以下:作品冒頭の百合との会話
百合「今度の同窓会行く?」
和彦「どこに?」
百合「いや、だから同窓会」
なに、この会話の噛み合わなさ。怖い。
死体処理を松本に任されてムッとしたり、違法な臨時収入で浮かれたりと、仲間外れにされたと思い女に逃げたりと、終始ぶっ飛んだ表情・行動を見せる。
殺し屋なのに、小心者な銭湯の店主・東や気さくな好青年松本、撃たれた人見ても、「大変だね」で済ます和彦の両親、久しぶりの対面でぐいぐいアピールしてくるヒロイン・百合といい、なんだろう、登場人物に好感しか感じない。
②ジャンルのバランスの良さ
銭湯の洗い場に広がる鮮血に、転がる死体。冷たさを感じる陰惨な映像を見せてホラー映画を思わせながら、自身の仕事に対して責任を持ち黙々とこなす和彦の成長や恋愛模様を青春譚のように描き、大事な場面で車の運転ができず焦る和彦や両親の大らかな対応などのコメディ要素をバランスよく織り交ぜている。
とても不思議な魅力を持つ映画に仕上がっている。
<悪かった点>
①意識して撮っているとは思うが、各人物が少し軽すぎる点が人によっては引っかかるかもしれない。
いやー、面白かった。
Blu-ray買おうかな。
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